「ストロボ撮影は難しそう…機材がたくさん必要でしょ?」
いいえ、そんなことはありません。実は、太陽が一つしかないように、光源は「1灯」が最も自然で美しい写真を作ります。この記事では、ストロボ1つでできるプロ級のライティング術を解説します。
1. 1灯ライティングに必要なもの
まずは最低限の機材を揃えましょう。高価なものは必要ありません。
- ① クリップオンストロボ: カメラの上に付けられる小型ストロボ(GODOX TT600などが有名)
- ② ライトスタンド: ストロボを立てるための三脚
- ③ アンブレラ or ソフトボックス: 光を柔らかくするための道具
- ④ ワイヤレスコマンダー: カメラとストロボを無線で繋ぐトリガー
これら全てを新品で揃えても、3万円程度から始めることができます。
2. 光の「質」を理解する(硬い光 vs 柔らかい光)
ライティングの基本は、光の「質」をコントロールすることです。
硬い光(Hard Light): 影がくっきり出る、ドラマチックな光。ストロボを直接当てた光。
柔らかい光(Soft Light): 影がふんわりと出る、優しい光。アンブレラやソフトボックスを通した光。
初心者はまず「柔らかい光」を作ることから始めましょう。
3. 覚えておきたい、基本の1灯ライティング3選
ストロボの位置を少し変えるだけで、写真の印象は劇的に変わります。
基本の45度ライティング
被写体の斜め前45度・上45度から光を当てる、最も標準的な方法。自然な立体感が出ます。
ポートレート、物撮りサイド光(レンブラントライト)
被写体の真横から光を当て、顔の半分に影を作るドラマチックな手法。男性ポートレートなどで人気。
クールなポートレート逆光(リムライト)
被写体の真後ろから光を当て、輪郭を光らせる手法。被写体が背景から浮き出て見えます。
ヘアサロン、作品撮り4. よくある失敗と解決策
「顔にテカりが出る…」
原因: 光が硬すぎます。
解決策: もっと大きなアンブレラやソフトボックスを使うか、光源を被写体から少し遠ざけてみましょう。
「背景が真っ暗になる…」
原因: カメラのシャッタースピードが速すぎます。
解決策: シャッタースピードを1/125秒〜1/60秒程度まで遅くして、背景の明るさを調整しましょう。(ストロボ光はシャッタースピードの影響を受けません)
まとめ
ライティングは「光の彫刻」です。たった一つのストロボでも、その位置、角度、質を変えるだけで、表現は無限に広がります。
まずは安価な機材で「光を動かす楽しさ」を体験してみてください。あなたの写真の世界が、今日から変わります。