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自宅スタジオの音質改善:吸音・遮音で録音環境を劇的に変える方法

DIY音響改善

「高価なマイクを買ったのに、音がこもって聞こえる…」
それ、マイクのせいではなく部屋のせいかもしれません。実は、録音における音質の8割は「部屋の音響環境」で決まります。この記事では、プロが使う吸音・遮音のテクニックを、自宅でも実践できる形で紹介します。

Home Studio Acoustic Treatment

1. まずは「問題」を理解する

一般的な住宅は音響を考慮して設計されていないため、以下のような問題が発生しやすいです。

よくある問題
  • エコー(反響)が録音に乗る
  • 壁や床からの「ブーン」という低音の反響
  • 隣の部屋や外の騒音が入る
  • 声が薄っぺらく聞こえる
目指すべき状態
  • 声がクリアで輪郭がはっきり
  • 無駄な反響がない「デッドな空間」
  • 外部ノイズの影響を最小化
  • スタジオっぽい「締まった」音

2. 吸音と遮音の違いを理解しよう

🧱
遮音(しゃおん)

外からの音を「入れない」こと。壁や窓を厚くして、音を物理的に遮断します。

🧽
吸音(きゅうおん)

部屋の「中」の音を吸収すること。エコーや反響を減らし、クリアな録音環境を作ります。

結論: 自宅スタジオで最も効果的なのは「吸音」です。遮音は大規模な工事が必要ですが、吸音なら数千円から始められます。

3. 予算別:音響改善の方法

予算:0円〜5,000円(DIY音響改善)

自宅にあるもので今すぐできる
  • 毛布やカーテンを壁に掛ける: 特に録音する方向の壁に厚手の布を掛けると、反響が大幅に減ります。
  • クローゼットや押し入れで録る: 服が吸音材の役割を果たすため、驚くほどクリアな音が録れます。
  • 段ボール+タオル: 段ボールをL字に組み立て、内側にタオルを貼れば簡易リフレクションフィルターに。

予算:5,000円〜20,000円(吸音パネル導入)

市販の吸音パネル(ウレタンフォーム)を壁の四隅や天井に貼ると、部屋の音響が劇的に改善します。
おすすめ製品: Amazonで販売されている「ピラミッド型吸音材(12枚セット 約5,000円)」が定番です。

予算:20,000円以上(本格的な防音・吸音)

リフレクションフィルター(マイクの後ろに立てる半円型の吸音パネル)やベーストラップ(低音を吸収する角に置く吸音材)を導入すれば、ほぼスタジオレベルの音響が実現します。

⚠️ よくある間違い:卵パックは効果なし

「卵のパックを壁に貼ると吸音できる」というのはネット上の都市伝説です。ほとんど効果がない上、見た目も悪いので避けましょう。素直に専用の吸音材を使う方が確実です。

まとめ

高級なマイクを買う前に、まずは「部屋を整える」ことから始めましょう。吸音材を数千円分買うだけで、1万円のマイクが3万円クラスの音に聞こえるようになります。
「良い機材」よりも「良い環境」。これがプロの録音の鉄則です。