ポートレート:肌のトーンと美しいボケ味を追求する機材選び
ポートレート写真は、被写体の魂を写すアートです。美しい肌のトーン(スキントーン)、背景を整理する滑らかなボケ味、そして一瞬の表情を逃さないオートフォーカス。これらを高い次元で実現するための機材選びを解説します。
1. ポートレートにおける「良いカメラ」の条件
解像度よりも重要なのが「色再現性」です。特に人肌の微妙なグラデーションをどう描くかが問われます。また、被写界深度を浅くして背景をぼかすため、フルサイズセンサー搭載機が最も有利です。
さらに、最近のトレンドは「瞳AF」の精度です。まつ毛ではなく瞳の奥にピントが合っている写真は、見る人に強い印象を与えます。
2. おすすめのカメラボディ (2025)
キヤノンの「カラーサイエンス」はポートレート界で絶大な信頼を得ています。健康的な肌色をJPEG撮って出しで実現できる数少ないカメラです。
圧倒的な瞳AF性能。モデルが激しく動いても、カメラが自動で瞳を追い続けます。豊富なEマウントレンズ群も魅力です。
新しいZマウントの大口径レンズ(f/1.2など)を使いたいならこれ。自然で忠実な色再現は、レタッチのベースとして最適です。
3. レンズの選び方:焦点距離のマジック
ポートレートでは、焦点距離によって顔の形が変わって見えます。広角すぎると顔が歪み、望遠すぎると顔が平面的になります。
王道の85mm (中望遠)
「ポートレートレンズ」の代名詞。被写体との適度な距離感を保ちつつ、背景を大きくぼかして人物を浮き上がらせます。f/1.4やf/1.8の単焦点レンズが最初の1本におすすめです。
万能な50mm (標準)
人間の視野に近い画角。全身ポートレートや、背景の状況を少し入れたい場合に適しています。
4. 光をコントロールする
高価なカメラよりも、光の使い方が写真のクオリティを左右します。
- レフ板 (Reflector): 影になった顔を明るくし、瞳にキャッチライト(白い輝き)を入れる最も安価で効果的なツールです。
- ゴールデンアワー: 日没直前の柔らかい金色の光は、肌を最も美しく見せてくれます。この時間帯を狙って撮影計画を立てましょう。