「シャープで完璧な写り」だけが写真の正解ではありません。最新レンズでは撮れない、独特のフレアやゴースト、柔らかなボケ味…
それがオールドレンズの世界です。1万円以下で手に入る「魔法のガラス」で、あなただけの「エモい」写真を手に入れましょう。
1. オールドレンズとは?
主に1970〜90年代に製造された、フィルムカメラ用のマニュアルフォーカス(MF)レンズのことです。現代のミラーレスカメラに「マウントアダプター」を介して装着することで、デジタル写真として蘇ります。
- オールドレンズ本体: 3,000円〜20,000円が相場
- マウントアダプター: 2,000円〜5,000円。レンズとカメラを繋ぐ「翻訳機」。
2. オールドレンズの魅力と欠点
メリット(魅力)
- 価格が圧倒的に安い
- 独特の描写(フレア、ゴースト、ボケ)
- 金属とガラスの塊で、所有欲を満たす
- MF操作で「写真を撮っている感」が味わえる
- 小さくて軽いレンズが多い
デメリット(欠点)
- オートフォーカスが使えない
- 手ブレ補正がない(ボディ内手ブレ補正が必要)
- コーティング技術が古く、逆光に弱い
- 個体差やコンディションの見極めが必要
3. 初めて買うならこの3本!定番オールドレンズ
Helios 44-2 58mm F2
「ぐるぐるボケ」の代名詞。背景が渦を巻くようにボケる、最も有名なオールドレンズ。ポートレート撮影が劇的に楽しくなります。
Super-Takumar 55mm F1.8
「虹色のゴースト」が出ることで有名。逆光で太陽を入れると、美しいフレアとゴーストが発生します。オールドレンズの楽しさが全て詰まった一本。
Industar-61 50mm F2.8
通称「星ボケレンズ」。絞り羽根が星形になっており、夜のイルミネーションなどを撮ると点光源が星形にボケます。
4. 購入時の注意点
フリマアプリやネットオークションで購入する際は、必ずレンズの状態を確認しましょう。
- 「カビ」や「クモリ」がないか: レンズ内に白いモヤや菌糸状の模様がないか確認。
- ヘリコイド(フォーカスリング)はスムーズか: 重すぎたり、スカスカでないか。
- 絞り羽根は動くか: 粘って動かない個体もある。
まとめ
完璧な写りを目指す最新レンズとは真逆の存在、それがオールドレンズです。
あえて「不完全さ」を楽しむことで、あなたの写真表現の幅は間違いなく広がります。まずは1万円を握りしめて、このディープな沼に足を踏み入れてみませんか?